はじめに

私は、綿を種から育てて、収穫した綿花を糸に紡ぎ、機織りをしています。そして、何着か服を作ってきました。なぜこのようなことをしているかといいますと、1992年から93年の2年間インドで暮らしましたが、その時にたまたま読んだ、マハトマ・ガンジーの本に影響されたからです。ガンジーは、この本の中で、糸を紡ぐことがとても大切だと書いていました。それまで、ガンジーといえば、インドを独立に導いた指導者、政治家というイメージを持っていましたので、そのガンジーが、食べることや着ること、生活の基本的なことを大切にしなさいと説いていることに、不思議な感じがしました。しかし、これを読んで、本当にその通りだと感銘を受けたのです。それで、本を出版したり、機会があれば、お話しをすることでガンジーの思想を伝えながら、やはり、頭だけではいけない、実践が伴わなければと思いますので、実際に綿を育てたり、糸紡ぎをしたりをしているわけです。