機械化と仕事の喜び

家電の標準使用期間
 洗濯機に貼ってあるシールにふと目が行きました。「標準使用期間7年。設計上の標準使用期間を超えて使用すると、経年劣化による発火・けが等の事故に至るおそれがあります。」実際に火災などの事故も起こっていますから、注意を喚起することは必要なことだと思います。しかし、洗濯機の標準使用期間7年というのは、使用期間が過ぎたら使えないという意味ではないとしても、あまりにも短いのではないでしょうか? 扇風機を見たら、10年となっていました。
 私が学生時代から使っていた洗濯機や扇風機は20年から30年現役で活躍してくれました。洗濯機は実家でまだ現役として使われています。新型の物ほど、壊れやすくなっているような印象を受けます。機能が増えているので、一概に比較はできませんが、それでも技術が進歩しているのなら、「標準使用期間20年」と書けるくらいの家電を作ってほしいものです。
現代の仕事事情
 糸紡ぎのワークショップに参加してくださった方から聞いた話です。その人は、あるメーカーに勤めていましたが、保証期間を数年過ぎたあたりで壊れるように設計するように言われて、仕事が嫌になったそうです。
 若者がすぐに仕事を辞める、我慢が足りないという人もいますが、働く喜びを味わえる仕事がなくなっているのかもしれません。機械化の弊害だと私は思います。
機械化がもたらしたこと
 物がない時代に、新しいものを開発することは楽しいことです。しかし、やがて物は行き渡ります。買い替え需要しかなくなったときは、作る量を減らしてのんびりすればよいはずなのですが、そうはいかないのが工業化された資本主義社会です。機械生産のための設備投資をしたからには、機械を常にフル稼働させないといけないわけですから、新しい市場の開拓、モデルチェンジ、ついにはすぐに壊れるものを作るということにもなってしまうのかもしれません。
 その結果、環境破壊は進み、仕事もストレスの原因となります。
 だからこそ、ガンディーは、機械に依存することを戒めたのです。もう一度ガンディーの言葉に耳を傾けてみませんか?